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会社設立時の資本金はどう決める?ポイントをわかりやすく解説

会社法では法人設立時に出資を受けた金額のうち、50%以上を資本金としなければならないと定められていますが、資本金という言葉を聞いて、その意味を正しくイメージできる方がどれほどいらっしゃるでしょうか。

 

本稿では、資本金とは何なのか、会社設立時の資本金の額はどのように決めればよいのかについて、ポイントをわかりやすく解説します。

 

 

資本金について

 

資本金とは、会社が有している返済不要の自己資金のことであり、株主の出資金額の一部、あるいは会社の規模等をあらわすものです。

以前は、会社設立時の資本金は1000万円以上でなければなりませんでしたが、2006年以降は下限がなくなり、資本金1円でも会社の設立が可能となりました。

 

 

会社設立時の資本金を決める際のポイント

 

資本金が会社の規模をあらわすのであれば、その金額は可能な限り多く設定した方が良いのではないかと考えるかも知れません。

あるいは1円で構わないのであればわざわざ大きな金額にせずミニマムで設立した方が今の時代に合っているのではないか、という考え方もあるでしょう。

資本金額の設定にはいくつかの注意点がありますので、簡単にご紹介します。

 

資本金の額を大きく設定しようとする場合の注意点

 

①消費税の免税

設立時の資本金を1000万円未満に設定すると、最大2年間、消費税の納税義務が免除されます。

ただし202310月以降、インボイス制度が開始した影響で、この免税によるメリットは限定的になってしまっています。

 

②法人住民税均等割

法人を1年間維持すると、所在地の都道府県及び市町村に「均等割」という定額の税金を納めなければなりません。

赤字であってもかかってしまう税金で、法人の最低維持費ともいえるものですが、この均等割の税額は資本の額を基準に決まります(加えて従業員の数も加味されますがここでは省略します)。

 

例えば東京都では、資本金1000万円以下では年間7万円、1000万円を超え5億円以下で年間18万円、以降資本金の額が増えるにつれて年間121万円まで段階的に増額されます。

 

③各種税制優遇

法人税法には小規模事業者に対する優遇税制がいくつもあるのですが、その多くが資本金の額を基準に対象法人を規定しています。

資本金1000万円以下、3000万円以下、1億円以下など、それぞれの制度によって対象とする資本金額は異なりますが、資本金額が増えるにつれて適用できる優遇税制は減っていく傾向にあります。

 

④法人設立時の登録免許税の金額

法人を設立する際にかかる法定費用のうち登録免許税は、資本金の額に伴って増加します。

例えば株式会社の場合、資本金の額の0.7%(最低15万円)、合同会社の場合は資本金の額の0.7%(最低6万円)が必要となります。

 

資本金の額を小さく設定しようとする場合の注意点

①金融機関の印象

資本金の額は法人の規模をあらわすという一面があるというお話をしましたが、同様の理由で少なすぎる資本金が法人の信用を損なってしまう場合があります。

通常、法人設立後は速やかに法人名義の預金口座を開設する必要がありますが、法人名義の口座開設については年々審査が厳しくなっている印象を受けます。

はっきりと資本金の額が理由だと言われることはありませんが、それが原因の一つとなって口座開設に苦労しているのではないかと感じたことがありました。

また、創業融資を受ける際には資本金は自己資金の主たる部分となりますので、この金額が小さすぎることが、準備不足、計画性の欠如といった印象を与え、融資申し込みの足かせになってしまうケースもあります。

 

②取引先の印象

金融機関への印象とほぼ同じ内容です。

法人設立前から取引やお付き合いのある取引先であれば問題になることはあまりありませんが、新規の営業をかける場合や、取引先の法人の規模が大きく社内規定がある場合など、ある程度の資本金の額が必要になるケースもあるでしょう。

 

③許認可を受ける際の最低資本金額

建設業や派遣業など、許認可が必要な業種の一部では、資本金の最低金額が定められており、その金額以上の資本金がないと許認可を受けることができない場合があります。

例えば建設業であれば500万円以上、労働者派遣業であれば2000万円×事業所数以上の資本金が必要です。

 

 

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